
「『置くだけで、パークゴルフホール』とは何のことかいな ? 」と言われそうなタイトルですが、タイトル通りです。穴を掘らずに、置くだけで使えるパークゴルフ用ホールを作ってみました。
「何故そんなことを試してみようかとなったか」というと、今年4月のFPGA総会での議論から始まります。
毎年、総会では、「どうやれば藤沢市にパークゴルフ場を創ることができるか」という議論で白熱します。今年も盛り上がりました。その議論の中で、佐野顧問から「公園や競技場などパークゴルフが出来る広い場所は藤沢にもある。ただホール用の穴を掘らないといけないという理由で使用許可が出ない。ゴルフのパター練習用に使う『置くだけのホール』みたいなもので出来ないのか」と指摘されました。
「なるほど。試してみる値打ちはありそう」と考え、早速、「ゴルフ用の置くだけホール」をget。これです。
使ってみました。結構、難しい。マット上におきゴルフボールをパターで打ってみましたが、簡単には入らない。ホールイン出来るのは実際のホールの半分以下の確率ですね。
入りにくい理由は単純で、距離と方向の精度が実際のグリーンのホールよりはるかに高いレベルで要求されるためです。パークゴルフの球でも試してみました。当たり前ですが、大きすぎてまったく入りません。
ボールの大きさに対してカップの高さが低すぎるので、正しい方向に打てても、距離がピッタリでないと、ホールからはみ出てしまいます。
また、ホール(穴)が埋め込まれているスカートの部分がコンパクトに作られているので、短すぎ、角度が大きくなっています。このためボールが転がる最後に大きな斜面を登ることになるのも難しくしている理由かもしれません。
という訳で、この練習用カップの高さとスカートの長さをパークゴルフのボール向けに最適化し、「パークゴルフ用置くだけホール」を作れないと考えました。
まず、「ゴルフ用置くだけホール」を測ってみる。ホールの高さは9mm、スカートの長さ(底辺)は29mm。スカート(黒いゴムの部分)の角度は17.2度となります。
ゴルフのボールは直径は42.67mmですからアルミの円盤の深さの1/4以下です。これを倍以上の値にすれば、穴の中に残り、外に出にくくなるのではないか。
スカートについてはもう少しロングスカートにしてなだらかに斜面を登れるようにすればいいかな考えました。
製作にあたっての前提は、FPGAはお金のない貧乏協会ですから、安く作ること。材料はなるべくただのものを使い、購入する場合は全て100円ショップで入手出来るものだけとする。
というわけで目をつけたのがこれ。


牛乳パックの空き箱です。
牛乳パックの使った工作は結構ボピュラーで、飲料メーカーも宣伝しています。ここに雪印のパック工作サイトがあります。こんな具合に椅子まで作れるようです。

つれあいがこの椅子をまねてクッションを作ろうとパックをため込んでいたが、挫折中だったのですよね。このチャンス、活かさない手はない。
「おしいしいパエリアをご馳走するから」と供応し、ため込んだパックを全部頂戴しました(^^;;;。
最初に試作したのがこれ。 左の写真が表。中央の写真が裏返した状態。雑です(^^;;。
人工芝4枚を60cm四方の正四角形に並べ、中央に20cmの穴を空け、裏に牛乳パック空き箱を張り付け、真ん中の穴の部分を深鉢に引っかかるよう加工しただけ。これで試してみましたが、結構使えると分かりました。
最後の写真は「試作品があまりに雑な工作をであること」を反省して(^^;;;、作り直したスカート台座、二種類です。
右側が牛乳パック8枚を45度で組み合わせたもの。左側が22.5度、16等分したものです。これでスカートとホールの円の部分をがどうなるか確認しました。
写真の左側に深めの皿があります。これがホールカップとなります(「ゴルフ用置くだけホール」のアルミ部分に相当)。これを中央部に置き、その上を穴空き牛乳パック円盤(スカート部分)を被せ、さらに人工芝で覆う。というやり方で試しました。
実際にパークゴルフのボールとクラブを使い、パットしてみました。人工芝の所に到達し、その後、真っ直ぐ滑らかに登っていく確率が高いのは16等分スカートでした。どちらも、多少センターをそれると、方向によってはカップの外の方向に曲がることがあるのですが、等分数を大きくした方がカップを外す確率は低いようです。
従って、やはり丁寧に16等分した方が良いようだと判断、ここからの設計は16等分方式で行っています。
ただ8等分方式でも十分使えますし、綺麗に作れば、こちらの方がスマートかもしれません。何れこれも試してみるかなと考えています。特にスカート台座部分を木などの紙以外の素材を使う場合は16等分は大変なので、8等分で対応する方法が有力かと思います。
8等分で対応する方法の件は後にまわして、下が16等分方式のベースとなる部品です。牛乳紙パック半分を使って作る。
こんな具合に組み合わせて円盤にしていきます。また部品は余ったパック紙を使い、補強します。
これが組み立てて芝の上に置いた写真です。
左が実際に使っている時の写真。人工芝は置いてあるだけ。このように外すと牛乳パック円盤が登場します。右は、円盤を裏返しにすると、牛乳パックであることがバレるというわけ。中央の皿がホールカップとなります。「中央のヤクルトは何じゃ ?」という言われるかと思いますが、後で詳述します。
パークゴルフボールでパットしてみました。なかなか使えます。ヤクルト瓶に当たり、中央の皿にきっちり入った時は、気分、爽快ですね。ヤクルト瓶を外しても、ボール速度が適切であれば、ボールは皿の反対側の縁に当たり、カップイン(というのかしら?)出来ます。
中央の皿は高さ4cm位。パークゴルフボールの直径は6cm。この位の深さがあれば、地球の重力を無視するほど強打しないで、方向がカップ内なら、カップイン出来ます。
材料は、30cm四方の人工芝4枚(芝の長さは2mm)、直径20cm深さ4cm位の植木鉢 。人工芝の長さは2.5mmのものもありますが、短い方が抵抗が少なくなるので良いと思います。
牛乳パックの空き箱8個、ヤクルトカルピスの空きビン1個、「耐震マット」という名前の空きビンを鉢に接着するための製品。左の写真のカルピスの下に張り付いている透明のゴムです。ダイソーで100円で売っています。
かなり強いボールでもショックを吸収し、鉢の中に落としてくれます。また吸着力は強く、強い球があたっても、ヤクルト瓶が皿からはがれることはありません。
人工芝と植木鉢もダイソーで調達。飲んだ牛乳とヤクルトを無視すれば、投資金額は660円でした。
鉢ですが、ダイソーに行くとカップに適した形状のものがないかと漁る習慣がついてしまい(^^;;;、植木鉢だけでなく、普通の皿、陶器の皿、ケーキ型、ザル、ごみ箱などいろいろチェック。集めたコレクションがこれ(^^;;;。
お勧めは最後の写真のケーキ型6号というやつ。深さが4.8cmと深め、縁が垂直でボールが飛び出しにくい(ホールに入りやすい)のがいいです。円の直径が18cmなので、PGホールの規格より2cm狭いです。最初の画面の網は円の直径や高さは同じですが、ヤクルト瓶が留められないのが問題。その他の皿の直径は20cm~21cm、深さは3cm~4cmです。2枚目の写真の右の灰色の皿は深さが3cmなので、これを使ってスカート部分の傾斜がゆるやかなホールを製作してみようかと考えています。
同じく人工芝もamazonで入手することにすれば、様々な種類のものがあります。サイズあたりの価格も同じ(30センチメートル平方で100円)位ですが、問題は30センチメール平方というような細かい単位で販売していないこと。注文する単位が数千円となってしまいます。というわけで、まだamazonは試していません。
材料へのこだわりはこれ位にして(^^;;;、本題に戻します。
工作作業現場写真。製作に必要な道具と環境はこれで分かるかと思います。
パソコンは長さの計算と設計図の作成とするために使いました。その他はハサミ、カッター、定規、マジックペンなど家庭に普通にあるものばかりです。ホチキスは頑丈なやつをお勧めします。部品の接続や人工芝を張り付けるのに使います。接着は接着剤を使わず、全てホチキスで済ませました。
設計図はこれです。穴空き円盤を構成する部品の設計図です。設計図は3Dではないので、想像力を働かせて、ご覧になって下さい(拡大できます)。
長さは中学校で学習する「直角三角形の定理」を使って計算します。もちろん、そんな定理は綺麗に忘れています(^^;;;。しかし、こういう便利なサイトがありました。
このサイトでは、直角三角形の斜辺、角度、底辺、高さの中の二つが分かっていると、他の二つを計算してくれます。「置くだけホール」は円をベースにして設計されていますので、直角三角形だらけです。長さや角度も円であることから決まってきますので、これをパラメータとして使って、簡単に他の部分の長さを計算することが出来ます。
大きさは、①人工芝が30cm平方であること、②牛乳パック空き箱の中央部分が198mm × 280mm であることを基本にして、芝のカットと芝を乗せる土台になるパック部品のサイズを決定しました。
牛乳パック空き箱の本体部分を二等分して、こういう形の部品にします。
これを16個組み合わせ、中央が空いた円盤にするわけです。試作品では全ての部品を接続していましたが、最終的に張り付ける人工芝単位に4等分し、下の写真のように組み合わせることにしました。
サイズはmm単位ですが、いい加減です(^^;;;。部品が出来たら組み合わせてみて45度/90度になっていると確認しながら作るという感じです。

部品の裏側ですが、右(下)写真のように余った材料を使い補強しています。補強の仕方はいい加減で(^^;;;、ここで、90度がちゃんと出るように弄るという感じですね。

また、試作品では人工芝は置くだけでしたが、外側も円に切りホチキスで土台の牛乳バックに張り付けることにしました。人工芝は大きめのハサミを使えば簡単に切れます。円の切り線に関しては、内側は深皿をひっくり返しにして、外側は牛乳パックの土台をあてて、線を書きました。
完成品がこれです。
シロウト工作丸出し。隙間だらけのホールですが、パークゴルフのボールは重く大きく、それなりの推進力で転がっていきますので、入ります。従って、結構、実用にはなります。
1m以下の短距離のパットであれば、普通のホールと同様に100%に近い確率で入ります。2~3mだと多少確率は悪くなり、4メートル以上だと1パットはなかなか難しいです。普通のホールと比較すると、ちょっと難しくなりますが、真ん中をきっちり狙って、入れないと駄目という意味では、練習になりますね。
という訳で、このホールを使ってグラウンドゴルフがプレー可能なサッカーグランドや野球場を使って、パークゴルフの練習をするかと考えています。10人位メンバーを集めて、夏休みの宿題(^^;;;、一人1ホール作成する。秋になり、涼しくなったら、グランド借りて試してみようと計画中です。
真っ平ら、真っ直ぐのコースばかりでは、面白くないから、 思いついたのはコレ。こういう道具を使って無理矢理ホールをドッグレッグさせる。
写真の品はセリアでget。2個で110円でした。
穴を自由に掘れる公園のない都市部でパークゴルフを流行らせるには、このような工夫は必須ではないですかね。パークゴルフ2.0と命名し、いろいろ試してみましょう。
P.S. 台座を8等分した場合の設計図です。厚さ4cmの板を斜めに切断するのが大変そうなのと、材料が高くならないかと心配ですね。
