
猛暑にたたられ大分遅くなりましたが、前回ご紹介した「置くだけパークゴルフホール 」を使った試打会をやってみました。メンバはFPGA藤沢南部組を中心としたライングループ(ヒヨコの会と名乗っています)の面々です。
まず試打する場所を何処にするか ?
FPGA出(藤沢市パークゴルフ協会)では、体験会を藤沢市引地川沿いのサッカー場で行っています。サッカー場のグランドは芝が植えられていて、長さは縦100メートル、横50メートル以上あるので、パークゴルフ場の環境に近いからです。という訳でこれが使えないか調べてみました。
駄目ですね。競技場の使用料が高すぎる。2時間で5600円。藤沢市はしっかりしている。
参加人数が数十人のサッカーならいいだろうけど、5~6名のヒヨコの会では一人当たり千円を越える。とても使えません(^^;;;。
近所に安いところはないかとググる。見つけました。ここです。
境川遊水地公園の下飯田遊水地多目的グラウンドです。
サッカーグランド半面を3時間で450円、全面でも900円。引地川沿いのサッカー場と一桁違う。5人なら半面で十分ですから、一人当たり百円。超リーゾナブルですね。
サイトに
『サッカー(小学生、中学生、高校生以上)、陸上競技(全面)、グランドゴルフ、ターゲットバードゴルフがご利用できます。それ以外でのご利用については、境川遊水地情報センターまでお問い合わせください。』
とあったので、早速現地に行ってみました。
管理事務所で「グラウンドゴルフ、バードゴルフと同じように、グランドに穴を掘らず、置くだけのホールでプレイするから、申し込みを受け付けてくれないか ?」と質問したら、「GG、BGと同じようにティーマットを使うのなら、いいよ」というご返事を頂戴しました。
このサッカーグランドは県営です。場所は小田急六会駅から境川に向かって歩いて15分位。境川遊水池、藤沢市と横浜市の境にあります。藤沢市内に住んでいれば、徒歩、自転車、車、電車などの交通手段で30分~40分程度で行けます。案内図でお分かりのように、事務所からグランドまで300m位あるのが、難点。
これで、場所の問題は解決。早速、「湘南ヒヨコPGクラブ」として登録しました。
次なる課題は「置くだけホール」の増産と改良です。
サッカーグランドを使ってパークゴルフをする場合、最低でも4~6程度の「置くだけホール」 が必要です。
課題は材料の調達。1ホール作るには8個の牛乳パックが必要ですから、40(=8×5)バックの牛乳を飲むのに、結構、時間がかかる(^^;;;。これが増産のネックとなります。
厚めの画用紙とか、2mm以上の厚さのボール紙、薄い板(バルサ材)などで代用することを考えました。どれも、特殊な商品なので、Amazonで調達することにしました。内容は改良方法と関連しますので、この後、紹介します。
改良については、ホールとしての仕上がり、精度、耐久性などの見直しが課題となります。
置くだけホールの形は半径30cm程度の円錐を頂点を中心する半径10cm位の部分を切り抜いた立体図形となります。
「こういう図形は、3Dプリンタを使えば、簡単につくれるのではないか」と思いますが、残念ながらFPGAにはそういう気の利いた道具を使いこなしているタレントは存在しないようです。というわけで、手作業、自力でなんとかするしかない(^^;;;。
木や紙を円錐に加工するのは至難の技なので、取り敢えず16面の角錐(16角錐といういうのですかね)の中心部分をくり抜いた形で対応することに。
前回ご紹介したように「置くだけホールv1.0」は
こういう具合に牛乳パック半分の紙を使って、中心部分を切り取った五角面の立法体を作る。それを16個組み合わせて
中心部を切り取った円錐を模した形にする(16角錐)。
これを使ってみて分かったのは垂直方向の強度が重要だということです。牛乳パックの紙箱を折り曲げて垂直面を構成していますがこれでは強度が弱すぎて、何度か使っているとへたって来ます。
v1.0を補強したのがこの写真。
Amazonで入手した厚手のボール紙を使い、各ユニット間の連結と1/4円の端の垂直面を補強しました。まあ使えるようになったが、ここで重大な設計ミスを発見(^^;;;。
前回のブログ記事の設計図で、基本になる中心部分を切り取った立法体の各辺の長さを計算していますが、中心部分の角度を底面でも斜面でも同じと勘違い。これが誤りでした。組み合わせるとかなり大きさが余ってしまう。ヘンだなぁと考え、気が付きました(^^;;;。
というわけで、設計をやり直し。牛乳パックを捨て、「コクヨ 板目表紙」という用紙を使い、v2.0を作ってみる。
板目表紙という画用紙は牛乳パックと同じ位の厚さで、名前の通り書類を束ね、表紙として使うためのものです。従って表面は大変綺麗な薄い漂白した紙を貼ってあります。これが裏目に出るのですね。
板目表紙の薄い紙の部分がこんな具合がボール紙にくっつき、破れてしまいます。結局、ボンド付けし直すことになりました。やっぱり台紙は牛乳パックが良いようです。
試しに木を使ったらどうだろうと考え、試してみました。v2.0改です。
模型飛行機などに使用する薄い木(バルサ材)を使い、カッターで切断しました。鋸を使うよりは楽ですが、やっぱり大変。という訳で手抜きして16等分を8等分に設計変更。これが悪かった。
角度によりますが、形状が円錐からはずれるほど、ボールが表面の傾斜部分を登る時、ホールに入りにくい方向に流れてしまうのですね。
やっぱり16等分しないと駄目です。
というわけでボール紙と牛乳パックで16等分したものをv2.0改改として作ってみました。
現状ではこれが一番良いようですね。これが設計図です。3Dで書くべきものですが、ノウハウがないので、2次元。想像力を働かせて(^^;;;ご覧ください。
ボール紙を台座部分の部品を切り出すのはちょっと手間ですが、まあ我慢できるレベル。あとは牛乳パックを設計図の形に切り取り、台座部分を貼り付けるだけ。貼り付けはボンドを使う。
どうせ目に見える場所ではないので、ボンドを大量に使い、ラフに貼っています。
製作のポイントは洗濯ばさみを大量に用意し、固定するときに使うこと。ご覧のような具合です。これでボンドが乾燥するまで、じっと紙と台座を押さえつけ続けるという地獄のような苦行から解放されます(^^)。
ただし、洗濯ばさみは多量に必要です。家庭の洗濯用のもの借用すると、家人から盛大にクレームがつきますです(^^;;;。ドラッグストアで売っていますから、とっとと購入しましょう。
スカート部分の長さ、高さも条件を変え、いろいろ試してみました。結果は予想通りで、長さを大きくとり、角度を小さくした方がスムーズにカップインします。また高さはボールの直径の半分の3cm程度あれば、適切なスピードのボールは入ります。従って、カップの皿の深さをなるべく浅くして、長さを十分とるのが正解だと思います。
いろいろ試しているうちに、試作レベルのものも含め、「6個の置くだけホール」が完成。「これは試してみなくちゃ」と考える。早速、ヒヨコの仲間に声をかけ、いざ境川遊水池公園サッカーグランドに集結。
グランドで完成したホールを並べてみました。皆、「変なもの作ったものだ」という顔をして、ご覧になっていますね(^^;;;。
左から二番目のものは表面に貼る人工芝の素材を変えています。これだけ藤沢駅の南口のセリアでget。芝目が目立たないにものを使っています。
当日プレーしたメンバーに「素材の違うホールがあったけど、気が付いた ?」と質問したら、全員「気が付かなかったよ」というご返事。あまり気にする必要はないのですかね。
試打会はサッカーグランドの北側半分を使用しました。体験会ではコース全部を使い、9ホール構成していますが、9個もホールを作るのも、運ぶのも大変。という理由です。取り敢えず、半面(フットサル用の大きさ)、6ホールで試してみることにしました。
これがコースの基本レイアウトです。
ハーフコートでショート2ホール(2番と5番)、ミドル2ホール(1番と6番)、ロング2ホール(3番と4番)という具合に6ホール楽にとることができます。画面左下、1番からスタートし、グランドに直角三角形を二回描き、元に戻って来るというレイアウトです。
各ホールのレイアウトを紹介する前に当日使った小道具を紹介します。
「写真中央のメンバが右手に持っているもの、何だと思いますか ?」。
前回のブログで最後にご紹介したサッカー用のコーンです。
これを使って、コースを無理矢理ドッグレッグさせようというわけ。
パークゴルフという競技の本質は、パットの正確性 & ショットの方向性と距離感だと思います。
パットの正確性に関しては「置くだけホール」が分からせてくれる。
問題はショットの方向性と距離感です。サッカー場は広いので、距離は十分とれますが、真っ平ら、ただ芝が張られているだけですので、もう一工夫必要だろうと考えました。
サッカー場ということで、思いついたのがサッカー用コーン。これでコースを制限し、方向性と距離感の要求精度を高くすれば、面白くなるに違いない。やってみることにしました。
これは5番のショートホール。写真右下に置くだけホールがありその前に5メートルほどの幅で緑色のコーンが置かれています。スキーの回転競技のように、この間を通してカップインしないといけないというルールにしました。
この置きかたならティーマットから直接ホールを狙えますので、良心的(?)なレイアウトです。
もっと意地悪なやつを紹介すると、4番のロングホール。
コースのレイアウトは下の写真をみてください。
ご覧のように黄色いコーンを2組使いレイアウトのようなジグザグでコーン間を通す必要があります。従って、巧くうっても4打はかかり、パーの5なら上出来という設定になっています。プレーヤの構えている方向が逆ですが、多分、一打目ギリギリを狙ってコーンの内側に外れ、コーンの間を通して2打目を打てる場所に戻しているところでしょう。
各コースのレイアウトです。赤い点がコーンの置く場所を示します。
全て0mからメートル表示されている部分に向かって打ちます。コースの周り陸上競技用のトラックが囲んでいますが、ここに出たらOBとしました。
このレイアウト案だとパー5は直線の90mの4番ホールと複雑にドッグレッグする5番ホール100mとなります。
直線の4番ホールも100mすることもできます。OBエリアと設定したトラックをまたがる形で直線を引けば100mとれますね。
このレイアウトはサッカーのゴールポスト(常設されていて、動かせません)が障害物となり、かなり難しくなりますね。面白そう(^^)。今度やってみよう。
グーグルマップのレイヤ表示機能はコース設計に最適のアプリです。このように距離と方向を表示させ、ドッグレッグしているレイアウトを完璧に表示させることが出来ます。コーンをどのように置くかの表示はペイントで簡単に追加出来ます。マウスを振り回して、「サルでも出来るパークゴルフのコースデザイン」という感じ。
レイアウトを考えていると、とても楽しいのですが、コース作成者の性格の悪さを反映しているのですかね(^^;;;。
当日の写真です。皆でスタートホール1番ホールに向かうところ、各ホールのプレイ風景、最後は休憩中。
サッカーグランドは広く、気持ちよくプレー出来ました。参加メンバは6人。
9時から12時までの午前中3時間で予約しましたが、事務所からグランドへの入り方が分からず、もたもたして、準備を始めたのは9時10分位。皆で協力してやりましたが、コースのレイアウトなどやったことのないメンバばかりですから、要領をつかむのに手間取る。それでも20分程で終了。9時半位にプレー開始。
男女ペア3組に分かれて、6ホールを回りました。距離が長め、置くだけホールに慣れていない、コーンのルールの理解に手間取るなど、悪戦苦闘しました。6ホール×2回まわるのに1時間弱。休憩。もう一度6ホール×2回まわり、11時半終了。
終わっての参加メンバー感想。
「楽しかった。これで手軽にパークゴルフの醍醐味は満喫出来る。またやろう。」
でした。
専用のコースがないと遊べないというパークゴルフの弱みをカバーする手段としては十分に使えそうです。
いくつか課題も指摘されました。
一番多かったのは「コースのレイアウトが分かりにくい。旗くらい立てろ」というもの。「まあ、置くだけホールの改良に忙しく、そこまで手が回らなかった」ということではあるが、もっともです。FPGAが体験会用に持っているものがあるはずだから、お借りしますかね。
コーンを使ったコースレイアイトに関してはあった方が良いという意見が多数派。問題はコーンに関するルールを確定させること。ルールは
①ティーマットとホールの間に一対のコーンを一組以上置いてルートを示す、
②ショットが一対のコーンの間を通過出来なかった時は、一打罰で元の場所から打ち直すか、ボールが止まった位置からコーンの間を通過出来る場所まで打ち直しその間の打数をカウントする、
としました。
このルール②の「コーンの間を通過出来る場所まで打ち直し」の解釈で「コーン間を通る戻し方は不可とすべき」という意見がありました。エラーは厳しく罰されないと教訓にならないという観点からの指摘です。もっともです。
ただ、この変更案の採用は難しそうです。
例えば、こういう状況(下の図)で、
A.ギリギリ狙って頑張って僅かだけミスが厳しく罰せられ(2打罰)、
B.大きなミスは軽く罰せられる(1打罰)、
ということになります。

また、このケースはもっと複雑です。
青が正しいルートです。しかしAやBのようなミスをすると、話がややこしくなります。
設計者の狙ったように戻す(緑の線)となると、ルールはますます複雑になります。
また、反対側のコーンの外側から戻すことはOKとすると、Bは赤い線の1打罰で済み、Aはどう打っても2打罰を避けられないので、不公平な裁定となります。
従って、シンプルにどういう方向に打って良い(コーンの間を通してもよい)としましょう。
またコーンにボールが当たって、動いた場合も通っていないボールとして取り扱うことにします。この場合もコーンの間を通す戻し方をするはずでギリギリを狙って、僅かのミスでエラーになったわけだから、1打罰で近くに戻れるようにするのが人の情け(?)というものでしょう。
置くだけホールに関してもいくつか指摘がありました。
地面に穴を掘るのではなく、なだらかな人工芝の斜面を上り、先の3cm~5cm位の浅いカップにホールインさせようというのだから、簡単には入りません。打球の方向と打つ強さで入るか入らないかは決まりますが、「置くだけホール」の方がより精度が求められる。真ん中のヤクルトカルピス瓶に当たらないコースに外すと、強さが合っていないと、なかなか入りません。
この通常のホールより難しくなることに関しては、問題だとする意見はありませんでした。ただ「置くだけ」という制約で「穴のホール」のように滑らかにカップイン出来ない状況の改善はOKとするべきだと思います。具体的に以下の場合が指摘されました。
- ボールが人工芝の縁に止まった場合、ボールが縁に引っ掛かり打ちにくくなります。通常のホールなら20センチ程度の優しいショットなのに、たまたま良いパットをして縁ちひっかかったのに、さらに酷い目にあうという不合理が発生します。
これはボールを数センチ後ろに戻せば解決しますので、この操作は無罰でOKとします。
- 「置くだけホール」は中心部の切り取った円錐状の形を4分割して設置しますが、ホールインを繰り返すと、動いてしまうことがあります。これも自由に元に戻してかまわないとします。
また、人工芝の縁が置く場所により浮いてしまうことがあります。手作りで仕上げが不十分なため発生するわけです。この場合は、スムーズになるよう縁を押すのもOKとします。
プレー開始前と終わりに手続きのため事務所による必要があります。これが遠いので結構大変です。平日、駐車場はがら空きですので、車で来れるならそちらの方が良さそうです。
事務所にこんなポスターが貼られていました。
「なるほどねぇ」。
FPGAもYPGAとタイアップして、コーン付きサッカー場コースをデザインし、「置くだけホール」を使い、「Let’s Play!! パークゴルフ体験会」を毎月やったらどうだろうか。
主催は神奈川県公園協会、サカタのタネグリーンサービスグループとあります。神奈川県公園協会というのは県立の公園の運営管理を仕切っている財団法人、サカタのタネグリーンサービスグループは実際に運営管理を請け負っている会社です。多分事務所の職員もこのあたりの組織に所属しているのでしょう。ここに話をもっていけば、パークゴルフ体験会も可能ですかね ?
しかし、その前に「置くだけホール」の製造精度を上げる必要はありそう(^^;;;。自作は設計能力はマズマズなのだが、製造能力が伴っていないのですよね(^^;;;。何とかしないといけないな。